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「インクルーシブ」武蔵野東学園が危機に 松村理事長の経営方針に保護者ら懸念

武蔵野東学園では、松村謙三氏が理事長に就任して以来、教員の大量辞職や不透明な運営方針が続き、保護者の間で不安が広がっている。2025年には、生徒が松村氏への批判を理由に退学処分を受けるも、その後撤回された。また、新入生の保護者に対し、違反時に損害賠償を求める可能性がある誓約書の提出が求められたことも波紋を呼んでいる。保護者らは、Change.orgで請願活動を行い、「学校が深刻な危機に陥っている」と訴えており、記事執筆時点で2,241人が署名している。

バリアフリージャパン

2025年4月2日

武蔵野東学園は、2つの幼稚園、小学校、中学校、高等専修学校を運営する学校法人である。自閉症のある子どもとない子どもが共に学ぶインクルーシブ教育モデルで知られている。

武蔵野東学園の保護者は、2024年2月の時点で松村謙三氏の理事長就任に対する懸念を表明していた。Change.orgの請願書で、保護者たちは「子どもたちの安全な居場所だった学校」が「深刻な危機に陥っており、学校の未来に対する不安が高まっている」と訴えている。

「ハズキルーペ」で知られるハズキカンパニーの松村謙三氏が武蔵野東学園の理事長に就任して以来、生徒や保護者の間に不安が広がっている。松村氏が2024年2月に理事長に就任した際、複数の教員が辞職した。しかし、学校側は保護者への説明をほとんど行わず、一部の保護者の間で不信感が高まった。さらに、2025年2月には、高等専修学校の生徒が松村氏に反対する意見を表明したことで退学処分を受けたことが明らかになったが、その後学校側は退学処分を撤回した。

この出来事の後、武蔵野東学園は新入生の保護者に対し、誓約書の提出を求めた。その誓約書には「誓約内容に違反した場合、損害賠償請求の対象となる可能性がある」との条項が含まれており、一部の保護者はこれを「言論の自由の抑圧」だと強く批判している。

子どもを通わせている保護者たちは、不安を隠そうとしない。Change.orgの請願書では、「かつて『子どもたちの安全な居場所』だった学校が、今や『深刻な危機に陥っており、学校の未来に対する不安が高まっている』」と訴えている。

さらに、Change.orgの投稿では、保護者が次のように書いている。

「松村理事長は、生徒、教職員、保護者に対して非常に脅迫的で嫌がらせのようなメッセージを送っている。重要な教職員が突然解任されることもあり、学校の根本的な価値観に反する不可解なルール変更が行われている。」

また、理事長の考え方は、武蔵野東学園の「普通の子どもと自閉症のある子どもが共に学ぶことで、『愛と友情の精神』を育む」という「教育理念の核心」に反しているとも述べている。

ある保護者は、自分の娘が松村氏から言葉による攻撃を受け、深く傷ついた経験を語った。その保護者によると、松村氏は娘に対し、

「彼女が自分の意見を述べたという理由だけで、非常に脅迫的な態度で『学校を辞めろ』と言った。」

と発言したという。

さらにその保護者は、

「石橋校長は娘に対して『松村氏は君の発言で深く傷ついた』と驚くべき発言をした。私の17歳の娘がこの出来事でどれほど傷ついたか、考えたことがあるのだろうか?

この出来事の後、娘は夜も眠れず、学校の勉強に集中できなくなってしまった。」

と語った。

別の保護者も、学校の将来に対する不安を次のように述べている。

「多くの教員が辞める中で、これまでと同じように子どもたちの安全や教育の質を維持できるのか? すでに多くの友人が転校してしまった。新学期がとても不安だ。」

インスタグラムでは、神経発達の違いを持つ息子を武蔵野東学園に通わせるアメリカ人の女性が、学校の対応に対する恐怖を語り、息子の教育の将来を懸念している。

「もし他にインクルーシブな学校があれば、こんなに絶望しない… でも、ここは文字通り唯一の学校なの… 多くの人はこの部分を理解していないと思う… これは普通の学校ではない… 日本で唯一の学校の一つなの… そして60年間ずっとそうだったの。」

武蔵野東学園のある教員は、苦渋の表情でこう語った。

「学校が新しい理事長になってから問題が山積しているが、残った教員たちは、生徒や保護者のためにできることをするしかない。」

記事執筆時点で、請願書には2,241人の署名が集まっている。

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